この夏、一周年を迎えた『Tower of Fantasy(幻塔)』。広大なオープンワールドと、サイバーパンク的なSF観が交錯する基本無料RPGだ。この度、筆者は初めて惑星アイダの土地を訪れ、その世界を見て回った。そこで覚えた率直な感想をお届けするとともに、これから『幻塔』をスタートしたいと思っている諸氏に向けて「どこから手を付ければいいか?」というガイドをしたいと思う。
物語の時代設定は、星間移民が行われている遠未来だ。人類は惑星アイダという土地に入植しており、そこでオムニアムという便利な資源が彗星から射出されていることに気付いた。それらを効率よく獲得するために建てられたのが幻塔(オムニアム・タワー)である。
しかしながら、オムニアムにはオムニアム放射線という有害物質も含まれていることが後に判明。アイダに気付かれた文明はその放射線が産んだ変異種(クリーチャー)などによって一度滅ぼされかけるが、人類は「ハガード」という暫定政府を立ち上げ、危機を脱した……
そんなある日、主人公(男女のどちらかから選べる)とその相棒は、アーシャ大陸南西部のアストラ島で変異種に追われていた。何とかアストラ島のシェルターに逃げ延びるが、その際に記憶を失ってしまう。ゲーム本編はここから始まる。
●ファーストインプレッション……『幻塔』の世界を観る
最初はとりあえずメインクエストを追いかけることとなる。シェルターでは年長者のジークがリーダーを務めており、主人公に優しくしてくれる。彼の妹であるシャーリーも外から来た主人公に興味があり、いつか自分も旅立ちたいという夢を抱いている。最初はこのふたりに着いていけばいいだろう。
そこそこ勘の良いプレイヤーならわかるかもしれないが、この夢見がちな少女であるシャーリーがとある問題を起こすことで、序盤のシナリオは一気に緊迫感を増していく。主人公がこのシェルターから旅立っていく動機もしっかり描かれるので、RPGにドラマ性を期待する人も注目できることだろう。
アクション部分についても、序盤から色々と試せる。ふわりとジェットパックに身を任せて街を見下ろすのもいいし、乗り物でその辺の道をかっ飛ばせるのもいい。(もう少しスピードが速くても嬉しいけども!)
また、それぞれのアクションは先行する3Dゲームから引用しているものが多いが、それ故に「ああ、こういう遊びを楽しんで欲しいんだろうな」とすぐ理解できるところでもあった。この辺りはどの程度コンシューマーゲームに精通しているかによって感想は変わってくるところだろう。
逆に、最初からストーリーに専門用語が頻発する。まったく予備知識がない状態でスタートした筆者は「オムニアム? サプレッサー? どういうこと?」となってしまった。この辺についてはウィキペディアを斜め読みしながら遊ぶくらいがちょうどいいかもしれない。
●スターターガイド……ちょっと使えるアドバイス
やはり基本無料のゲームということもあるので、とにかく10連ガチャを回したくなるかもしれないが、そこは少し我慢だ。レベル20くらいまではほとんどの敵に苦戦することはないし、何がどう強いのか、どれを回したらいいのかもわからないことだろう。開催中のイベントなどとの兼ね合いもあるので、すぐに武器やキャラクターのガチャをガンガン回すよりは、まずは『幻塔』の世界を観て回ろうではないか。
そこでおすすめなのがサブクエストだ。本作のサブクエストはいわゆるオープンワールドRPGの王道をちゃんと踏襲しており、世界観を補強する役割を担っている。その街やその地域の人々が何に困っているのか、どういう風に暮らしているのかが薄っすらと見えてくる。報酬も悪くないので、メインクエストの合間にやってみてはどうか?
それでもわからないことがあったら、ギルドに加入するのも良い。このゲームは一般的なMMORPGにあるような全体チャットがあり、プレイヤー同士で楽しくお喋りしている様が見られる。ここで初心者歓迎を謳うギルドがメンバーを募集していることもある。そこで先輩たちに「このアイテムはなんですか?」とか「まずはどうしたらいいですか?」といった質問を投げてみよう。きっと優しい返事が来るはずだ。(もちろん、相手は生身の人間なので、礼節は忘れずに!)
また、これはPC版の話になるが、困ったとしてもAlt+クリックでその項目が何なのか自分で調べてみるのも大事だ。やはりこの手の運営型ゲームは最初からアクセスできる項目はどうしても多くなるので、それらをひとつひとつ理解していくところもゲーム性のひとつと言えるだろう。そうしてゲーム内のエコシステムがわかってくれば、よりいっそう惑星アイダに愛着が湧いてくるはずだ。(でも「ストーリー」の項目は、未達成のところから先は見ないほうがいいぞ!)
1周年という記念日を迎えた『Tower of Fantasy(幻塔)』……まだまだ物語は加速していくことだろう。乗り込むなら今しかない!