Level Infiniteは先週のGame Developers Conference (GDC) 2024に参加し、AIを活用した各種スマート製品を披露した。
Level Infiniteブースには年内に全世界ローンチされる予定の『Honor of Kings』をいち早く試遊できるモバイルステーションも設けられた。同作はすでにデイリーアクティブプレイヤーが1億人にのぼる世界最大級のMOBAだが、展開地域の拡大によってその規模はさらに広がる見込みだ。
このブースではTencent独自のゲーム開発用AIツールスイートも展示された。Tencentの生成AIエンジンGiiNEXは、MOBAからFPSやMMOまで幅広いジャンルのゲーム開発を支援することを目的としている。
満席となった講演では、Tencent AI LabプロダクトエキスパートのKai Qinが、ゲームに命を吹き込むにはビリーバビリティ(もっともらしさ)、ダイナミズム、パーソナライゼーションの3つが必要だと解説した。
ゲームに命を吹き込むにはビリーバビリティ、ダイナミズム、そしてパーソナライゼーションの3つが必要
そこでAIの出番となる。AIはプレイの進捗に合わせてゲームを「次第に複雑に、絶えず変化させる」することができる。ユーザーがどうプレイするかでゲームの反応を変えるAIエンジンという形でも、ユーザーの没入感を維持するのに役立つとQinは述べた。
Tencent AI LabシニアエンジニアのYundong Zhangは、市街地生成ツールセットのデモを行った。これは開発プロセスにおける単純な反復作業を省力化することで大幅な時短をはかるものだ。
デモでは、建物の正面写真をアップロードすると、それがアレンジされて道路のマップに適用される様子が確認できた。ツールのエンジンがアップロードされた写真の情報から建物の3Dモデルを自動生成するため、ゲーム内の街並みを簡単に作ることができ、制作の自由度が高まる。
Zhangによれば、従来こうした作業はレベルデザイナーが約5日がかりで行っていたが、このツールを使えば30分とかからずに終わるという。
「ゲームとはテクノロジーとアートの完璧な調合」
Level Infinite最高戦略責任者、Eddie Chanはこう語った。「GDCは私たちにとって、例年最高に盛り上がる時期になっています。業界の友人やパートナーと一堂に会する格好の機会です。そこに行けばみんなと会えて、互いに語り合い学び合えるというのはすばらしいことです。」
「ゲームとはテクノロジーとアートの完璧な調合だと思うのです。テクノロジーが進歩するほど、発想を形にできる可能性がますます広がっていき、それだけプレイヤーが熱中し、やり込める体験が実現します。突きつめれば、人々に時間を割いて遊びたいと思ってもらえるような魅力あるゲームをいかに作るかということだと思います。私たちのスタジオがそんな未来へたどり着くためにはどうすればよいか、ということを私は考えています。」とChanは述べた。