『PAYDAY』シリーズのクリエイターらが立ち上げ『GTFO』を生みだした開発会社である10 Chambersは、協力型ハイスト(強盗)ゲームの新作『Den of Wolves』を先日発表した。戦術的でチームワークが重視されるこのサブジャンルに、ハイテクのひねりを加えたものになるとのことで、同社作品のファンにとっては期待がふくらむところだ。
新作の舞台はサイバーパンクな大都会「ミッドウェイ・シティ」で、市の経済を牛耳る巨大企業群に支配されている。プレイヤーはこの街の地下社会で怪しげな一度かぎりの仕事を請け負って生計を立てているという立場だ。
『Den of Wolves』の開発にあたり、過去に手がけた同ジャンルシリーズや『GTFO』の成功から受けた影響について、ナラティブディレクター兼ミュージックコンポーザーのサイモン・ヴィクルンドは次のように語ってくれた。
ハイスト(強盗もの)というジャンルの魅力
「ハイストというのはコンセプトとしてクールですし、協力型ゲームの格好の状況設定になります」とヴィクルンドは言う。「計画を立て、それを実行し、犯罪のプロとして身を立てるというアイデアはゲームとしてうまく機能します。現実には持てない力を持った気分になれるのです。」
「いい意味での現実逃避といえるでしょうか。『Den of Wolves』では、そこにSF要素を取り込むことで可能性を大きく広げます。同じ強盗でも、出せる敵や道具や武器、プレイヤーが対処することになるゲームメカニクスといった点で幅が出て面白くなります。」
時は2097年。プレイヤーは、ミッドウェイ・シティを支配する様々な巨大企業のために「仕事」を請け負うフリーランス工作員として、チームを組んで行動する。そして「仕事」を遂行するため法の制約をも踏み越えていく。
「仕事」の内容は企業スパイ、暗殺、機密テクノロジーの奪取といったもので、成否しだいでミッドウェイ・シティの勢力図が書き換わる可能性もある。工作員たちはそれぞれ固有のロードアウトや装備を持っており、プレイヤーはそれらを活かした実行計画を練り、互いに力を合わせて遂行しなければならない。
過去作で積み上げたノウハウを礎に
10 Chambersの開発者たちは、かつて『PAYDAY』シリーズで培った経験を活かし、それらの最も良かった部分を土台にして、新しいタイプのハイストゲームを作ろうとしいる。今作は特に、アクションのダイナミックさ、チーム単位のゲームプレイのとっつきやすさに注力するという。
「私たちは新しい要素や実験的な試みを取り入れる能力に大いに自信があります。『GTFO』ではそれを大いに活用しました。おかげで制作過程がたいへんなカオスになることもありますが。」とヴィクルンドは語った。「『Den of Wolves』のハイストでは、アクションを起こしてはステルスに戻るという緩急に焦点を当てたいと考えました。『GTFO』でもやったことですが、それを取り込み、さらに発展させたいのです。」
「過去作からは早期アクセスをどう扱うのが良いかという教訓を得ました。」とヴィクルンドはさらに語る。「ゲーム開発のさまざまな面や、制作やブランド構築における実験の仕方についても学びがありました。今後はそれを活かしつつさらに発展させていくつもりです。」
開発は「拡張」のフェーズへ
『Den of Wolves』の開発は新しいフェーズに突入し、ジャンルをさらに掘り下げ、企業間の陰謀を巡るさらに大がかりな構想や大胆なストーリーを織り込んだ、より野心的なヴィジョンを実現させようとしている。ミッドウェイ・シティと膨らみつづけるストーリーを制作し、ローンチ後もアップデートに向けて開発を続けるため、担当チームの増員が必要になったほどだ。
「これはいわば基盤整備です。独自の歴史を持った場所とそれを取り巻くSF世界を創造し、陰謀渦巻く数々のストーリーが生まれ出る舞台を整える作業です。このゲームに取り組む過程で私たちは可能性の限界を打ち破り、もっとクレイジーに突き進めるようになりました。
「制作はとても楽しかった。プレイヤーの皆様にも気に入っていただけることを願っています。人気が出ればアップデート開発を続け、この世界をいっそう充実させるようなストーリーラインを追加していけますから。」と開発陣はコメントした。
「私たちは開発中にプレイしていて楽しいゲームを作るのが好きです。人が増えればもっと楽しくなりますから。この種のゲームには、対戦プレイであれ協力プレイであれ、人が増えるほど楽しくなるというヒューマンファクターがあります。そこが開発者としての頑張りどころで、エキサイティングな部分でもあります。」
『Den of Wolves』は現在、PC版とコンソール版で早期アクセスに向けて開発進行中。ローンチ後のコンテンツ追加も予定されている。
