先日発表された『Delta Force: Hawk Ops』は伝説的「Delta Force」シリーズの10作目にあたる。タクティカルシューターというジャンルの草分けとして積み重ねてきた25年の歴史の上に築かれたゲームだ。
1998年にリリースされた1作目は、FPSの記念碑的作品となった。同じくこの年リリースされた『Half-Life』や『Unreal』といった人気作が話題をさらったにも拘らず『Delta Force』は常に存在感を保ってきた。Voxel Spaceレンダリングエンジンによる、リアルさが目を惹くグラフィックで雰囲気を確立しつつ、独特の魅力をもつタクティカルなゲームプレイで根強いファン層を維持してきた。
物理演算によるリアルさの追求
同時代の他のシューターとは違い、「Delta Force」シリーズでは当初から弾は物理法則に従う物体としてシミュレートされていた。ただ照準を合わせて撃つだけではだめで、環境の影響や標的までの距離も考慮する必要があった。そうした本物らしさを追求する姿勢は『Delta Force: Hawk Ops』にも受け継がれている。
クラスの概念の登場
2000年にリリースされた第3作『Delta Force: Land Warrior』では、初めてクラスベースのゲームプレイが導入された。各クラスは戦闘の特定分野に特化した能力を持っており、プレイスタイルに合わせて選ぶことができる。『Delta Force: Hawk Ops』も同様に、突撃兵、狙偵察兵、工兵、援護兵の4つのクラスを選択でき、それぞれが戦場で異なる役割を果たすことになる。
ブラックホーク・ダウン
2022年の『Delta Force: Urban Warfare』はPlayStationへのデビュー作であり、シリーズで初めてシネマティックなカットシーンが導入された。フルボイスのキャラクターたちと相まって、ストーリーの深みと没入感を重視する姿勢が改めて示された。
この動きは翌年リリースされた『Black Hawk Down』も継承している。史実をそのままストーリーラインに引用し、ソマリア内戦中の1993年に起きた「モガディシュの戦い」を描いたのだ。近接戦闘を主体とした本作は、シリーズ中最も激しいアクションに満ちたスペクタクルとなった。
それゆえに、本作のシングルプレイヤーキャンペーンは最新鋭のテクノロジーによるリメイクの形で最新作『Delta Force: Hawk Ops』にも収録されることになった。古くからのファンは懐かしいシーンの数々が新たなグラフィックで蘇る様を楽しめるし、新しく始めるプレイヤーは緊迫感あふれる市街戦を息を呑む迫力で楽しめる。
車両戦闘の導入
シリーズ最新の2作ではさらに車両戦闘が追加された。『Delta Force: Xtreme』とその続編では、プレイヤーは戦車や装甲兵員輸送車、バイク、ボートを運転でき、ヘリコプターを飛ばすこともできるようになった。『Delta Force: Hawk Ops』のマルチプレイヤーモード「全面戦争」では、プレイヤーが使える乗り物が強襲艇や戦車、ブラックホークヘリ、ATVなど10種類近くにも増える。
25年の歴史を通じて「Delta Force」シリーズはFPSの草分けとして、常にゲームプレイの新境地を切り拓き、ジャンルに最高水準のコンテンツを送りこんできた。最新作『Delta Force: Hawk Ops』もその伝統を受け継ぎ、新世代のファンを迎え入れようとしている。