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eスポーツ業界のキャリア:土木技術者が『PUBG MOBILE』や『Honor of Kings』の競技シーン振興の立役者になるまで

Abdallah Al GhifariはLevel InfiniteのMENA地区シニアeスポーツマネージャーで、『PUBG MOBILE』および『Honor of Kings』関連プロジェクトを担当し、eスポーツの振興を推進する役目を担っている。彼は土木技術者から熱意と決意でゲーム業界入りを果たした経緯を次のように語っている。

4月の業界イベントにLevel Infiniteを代表して出席したAbdallah

プロ選手からキャスターへ転身

ゲーム業界にはゲーム好きの人が多いですが、私も若いころから大好きでした。家族も私の選択を応援してくれて、その点には本当に助けられました。おじには色々なゲームで負かされましたが、おかげで「いつか勝ってやる」と闘志を燃えたたせることができ、実際、成長するにつれ勝てるようになりました。 

母は感情面で大きな支えとなってくれました。私がゲームトーナメントに勝てば、自分のことのように喜び、誇ってくれた。賞品はエナジードリンク1本だったのにです。何千何万ドルもの賞金を賭けて戦う最近のeスポーツ大会と比べればごくささやかなものですが、私が達成したことで家族を喜ばせられたという意義がありました。

環境に恵まれたおかげで、私はゲーマーとして腕を磨き、17歳でeスポーツ選手として契約を結ぶことになりました。それはまさに新たな世界が開けたようなものでした。中国、ヨルダン、スペインなど、さまざまな国へ行ってプロプレイヤーたちと対戦しました。4年で引退しましたが、この経験はeスポーツ業界でキャリアを積んでいくうえで大切な糧となったのです。私はまだまだこの業界に残りたかった。そこでキャスターを目指してみることにしました。

最近行われたUAE Google Gaming Day 2024に登壇したAbdallah 
プロゲーマーだからといって良いキャスターになれるとは限りませんし、転向には相当な努力も必要です。

フットボールの優れたコメンテーターの多くが元プロ選手であるように、eスポーツ選手は経歴を活かしてキャスターへ転向することができます。しかし、プロゲーマーだからといって良いキャスターになれるとは限りませんし、転向には相当な努力も必要です。

しかし、うまいゲーマーをめざす過程で学ぶことは他のどんな仕事にも通用します。私は駆けだしの頃はひどいコメンテーターでしたが、キャスターに転向したことを聞いたオーガナイザーの方々からプロジェクトに呼んでいただくうちにコツをつかんでいきました。何事も経験が浅いうちはうまくできなくて当然です。しかし、あきらめずに取り組み続ける意思を持つことで進歩していけるのです。

文字どおり「基盤を築く」仕事に

私はプロ選手やキャスターとして経験を積んできましたが、もともと本職はゲームとはまるで無関係だったのです。土木技術者として訓練を受け、働いてきました。しかしLevel Infiniteの採用面接を受けたとき、一人の面接官に、土木技術者の経験があるのなら基盤作りに向いていそうだね、と言われてはっとしました。 

土木技術者の仕事は橋や道路やトンネルを作ることだが、その過程で身につけたスキルはチーム作りや新規トーナメントプロジェクトの立ち上げといったことにも応用できるというのです。この話から、eスポーツ業界というものがどれだけ多様な発達を遂げているかがお分かりいただけると思います。本当に色々な能力や技術が要求される仕事があるのです。 

あなたがマーケティング出身者なら、その経験はこの業界でも必要とされています。あなたがシェフなら、eスポーツ業界には選手たちが遠征中もきちんとした食事を摂れるようにはからうという仕事があります。選手たちが万全のコンディションで試合に臨めるようにするためです。

eスポーツが世界規模で――特にMENAでは爆発的な勢いで――発展を続けており、自分もその一角を担えるというのはうれしいことです。

私は最終的に、現在世界で最大級のプレイ規模を誇るゲーム『PUBG MOBILE』と『Honor of Kings』に携わる仕事に就くことができました。MENA地域のアラビア語話者として、両タイトルの地元への進出に一役買えることを光栄に思っています。どちらも他の多くのゲームと同様、アラビア語圏で作られたものではないので、適切なローカライズが必要です。翻訳するだけがローカリゼーションではありません。両ゲームがアラブ語話者にとって文化的に共感を持てるようにしなければならないのです。 

eスポーツが世界規模で――特にMENAでは爆発的な勢いで――発展を続けており、自分もその一角を担えるというのはうれしいことです。好きなものを追い求めて始めたことが業界での充実したキャリアにつながると知れてよかったと思います。誰でも正しい姿勢と決意で取り組めば、きっと志望どおりの業界の一員になれると私は信じています。

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