Digital Extremesはまちがいなく、ライブサービスゲームでプレイヤーを常に満足させる秘訣を心得ている。同社がAirship Syndicateと組んで立ち上げた『Wayfinder』は、基本プレイ無料でキャラクターベースのアクションMMOだ。舞台となる異世界エヴェノールへの門はすでに開かれている。
グルームに侵略された世界を取り戻せるかどうかは、プレイヤーが操る能力者たち「ウェイファインダー」にかかっている。その道のりはたやすくはないが、どう歩むかはプレイヤーが選べる、自由度の高いゲームシステムが特長だ。
すでにSteamとPlayStation 5で始まっているアーリーアクセスでは、プレイヤーが使えるウェイファインダーは全部で7人。それぞれ固有の能力を持ち、接近しての格闘戦に長けた者もいれば、遠隔攻撃を得意とする者もいて、プレイスタイルに合わせてキャラクターを選べる。ウェイファインダーたちは成長するにつれ能力を伸ばし、戦闘を有利に進められるようになる。初期武器は15種類あるが、どのキャラも制約なく好きなものを選べるので、戦闘フィーリングやアプローチは多種多様だ。重い武器は威力が高いが振りが遅く、軽い武器はスピードに優れる。古き良き剣と盾を構えればパリィもできる。
また、プレイヤーは最大3人でチームを組むことができ、やり込むほどにチームシナジーやコンボの幅も広がっていく。このゲームで何をするにしろ、ますます面白くなる仕組みだ。アップグレードやリソース集めの要素もたっぷり用意されていて、かけた時間に見合う恩恵をもたらしてくれる。
「ウェイファインダーも、エコーも、冒険そのものも、とにかくあらゆる要素で面白さを追求します」と開発陣はgamescom 2023でコメントした。「アーリーアクセスは私たちが何を作ろうとしているかをプレイヤーに見てもらい、ゲームをより良いものにするための対話なのです。」
すでにプレイヤーの要望が取り入れられた部分もある。例えばパリィ時の入力受付フレームを延長し、回線遅延があってもプレイヤーの技量が反映されやすくした。また一部のウェイファインダーに空中ダッシュが追加されたのも、あるほうがずっと理に適っていると指摘があったからだ。こうした小さな改良の積み重ねが、長い目でみればゲームの質の高さにつながっていく。
ゲームをより良いものにするには、ローンチ前はもちろん、ローンチ後も継続的なサポートが欠かせない。これについても、シーズンごとにキャラクターや武器、クエストなどが追加されて新風を吹き込む予定になっている。ナラティブやメインストーリー以外にも、コミュニティ作りや居室の内装カスタマイズといった、別の角度から夢中になれる様々なシステムが用意される。そこに一貫して流れるのは「何事もみんなで一緒に楽しむ」というウェイファインダーの連帯意識だ。
コアなMMOプレイヤーの目から見ても、『Wayfinder』がプレイヤーの期待に応え、クリエイターの理想を実現するものになるよう、Airship Syndicateが大いに注力していることは明らかだ。ソーシャル志向の恒常的なオンライン体験を創り出すのは必ずしも簡単なことではないが、その点『Wayfinder』は好調なスタートを切ったといえる。アーリーアクセスも好評で、今後にますます期待が持てそうだ。