ヴィクトリア時代風サバイバルゲーム『Nightingale』のSteam早期アクセス開始がいよいよ2月22日(日本時間では23日予定)に迫り、開発元Inflexion Gamesはこのマイルストーンに向けて着々と準備を進めている。
これに先立ち、大規模なサーバ負荷テストも新年早々に予定されている。2月のローンチをスムーズなものにするための情報収集が目的だ。
『Nightingale』の早期アクセス開始時期は、これまでに何度か変更されてきた。当初は2022年末の予定だったが、ゲームエンジンをUnreal Engine 5へアップデートすることになり、品質に磨きをかけるためにも時間が必要という判断になった。そのおかげでゲームプレイへのプレイヤーフィードバックがさらに進み、三人称視点などの新機能も追加された。
Inflexionのコミュニティコーディネーター、Maribel Diazはこう言っている。「早期アクセスを実施する目的は開発会社によってさまざまですが、弊社の場合は常に、プレイヤー体験の基盤をまず固めることです。そうしてはじめてプレイヤー参加型の開発を進められるからです。
お待たせしてしまって申し訳ないのですが、スケジュールを引き直したことで、開発スタッフがしっかりと仕事を仕上げ、年末年始に休養をとり、フル充電した状態で早期アクセスのサポート対応ができ、開発を続けていけるようになりました。」
20,000人がプレイテストにボランティア参加
『Nightingale』はゲームの挙動やプレイフィールの調整のため、これまでに数回にわたりプレイテストを実施してきた。テスト参加を通じてプレイヤーたちは延べ数万時間の開発への貢献をおこなったことになる。
8月と9月のプレイテストには20,000人近くが参加し、最も熱心なプレイヤーのプレイ時間は194時間に及んだ。
プレイヤーはキャラクタークリエイターの追加機能や改良された建築システムなど、いくつかの新機能を試すことができた。初期のバージョンで序盤に行き詰まる人が多かった部分を解消するため、オンボーディングシステムも改善され、アクセシビリティも向上したほか、レルムオーバービューなどQoLを向上させるオプションも追加された。
Inflexionはプレイテストを、仕様変更によって生じた問題の洗い出し、エンドゲーム周りのバランスに関するフィードバック収集、バグ修正に活用している。また、さまざまな動作環境を想定してのパフォーマンス向上にも努めている。
コミュニティに対する透明性の面では、Inflexionは最新のデベロッパーアップデートで、質問が多かった点について追加回答を行っている。
例えば、なんらかの植物相や動物相を確定で発生させるといった、ゲーム環境をある程度コントロールする力を持つ境域カードは、マイクロトランザクションで販売されることはない。そのようなものは全てゲーム内で製作できるようにする。プレイヤーにとっては、フェイの荒地で時間を過ごす意義が高まる価値あるインセンティブになるだろう。
Unreal Engine 5.3に移行したことで、ロードデータが大きくなっても十分なパフォーマンスが出るようになった。これは早期アクセスの開始後、6人パーティを組んで探索を進めたい人にとっては重要な改善となる。
gamescom 2023でのファンとの交流
8月のgamescom 2023は『Nightingale』にとって、プレイヤーコミュニティと対面で交流できる初めての機会だった。展示ブースにはポータルの実物大模型が展示され、主要キャラクターのPuckとScarlet Womanに扮したコスプレイヤーも登場した。gamescomでは初公開の公式トレーラーでリリース日が2024年2月22日と発表されて会場をおおいに沸かせた。
Inflexionはメディア関係者とコンテンツクリエイター限定でライブデモを実施し、昨年における開発の進捗状況を披露した。
「gamescom出展にあたっては、準備から当日のブース運営に至るまで、各チームでたくさんの準備と労力が必要でしたが、プレイヤーの皆さんとじかに会って、このゲームに対する情熱を分かちあうことができたのは本当にうれしかったです。」とInflexionのコミュニティマネージャーのSteph Herdmanは語っている。
Herdmanは、Inflexionが2023年に複数回のプレイテストを実施したことについて「プレイヤーからのインプットは非常に重要です。誰にでもプレイできるようにする前に基本的な部分をしっかり固める必要があるので、こういうプレイテストからは驚くほどの重要な情報が得られます。」と述べた。
gamescomは世界最大級のゲームイベントで、2023年もドイツのケルンで開催され、100か国以上から約320,000人が来場した。