『Assassin’s Creed Codename Jade』の正式タイトルが『Assassin’s Creed Jade』に決定した。Ubisoftのロングランシリーズに連なる作品として伝統の重みを担うものになりうるのかが、ファンには気になるところだろう。コンソールやPCで評判を呼んだゲームプレイを、その持ち味を損なうことなくモバイルに落とし込むのは生易しいことではない。だがエグゼクティブプロデューサーAndrei Chanが率いる開発チームはその難題に挑む意欲満々のようだ。
「初めから常に、これはやっぱり『Assassin’s Creed』だ、と思ってもらえるゲームにすることを目指してきました。今作のストーリーは正典を忠実に踏まえつつ、そこに意義ある1ページを加えるものにしたいと思っています。」とChanは語る。「中国の歴史と文化を大切に尊重しつつ、『Assassin’s Creed』世界の自由さも忘れないでいたい。」
そういうわけで、主な舞台は3世紀の古代中国になるが、『Assassin’s Creed Odyssey』のカサンドラといったシリーズおなじみの面々が顔を出す余地もあれば、他の地域を訪れる機会もあり、『Assassin’s Creed Jade』でモバイルから冒険を繰り広げるプレイヤーにとっては大きな魅力の一つとなるだろう。この機会はローンチ後、プレイヤーに無料で提供される。
もちろん雄大な景観も待ち受けている。プレイヤーが各地のビューポイントにシンクロすると、マップに興味深い地点を示すマーカーが増えていく。ここも本作のスケールの大きさがうかがえる部分になるはずだ。
あえてシリーズの伝統から脱却したところもある。『Assassin’s Creed Jade』では、プレイヤーは自分のキャラクターを一から作成できるのだ。しかしその後に待ち受けているのは、従来とは形を変えてもファンにはおなじみで直感的に進めていける体験だ。主人公はタッチコントロールで思いどおりにどこへでも動かせるし、必要なときには状況に応じたアクションが選択肢として表示される。登攀や暗殺はどうなのかというと、これもシリーズに慣れたプレイヤーはもちろん、本作から始めたという人にも簡単にコツをつかめる操作になっている。
戦闘もかなりやり込み甲斐のあるシステムになる予定だ。多種多様な武器とロードアウトを使い分け、敵に応じて戦法を切り替えることができる。Chanの説明によれば「特定の敵にとりわけ威力を発揮する武器もある」そうで、すべての扱いを究めれば「立ちはだかる者すべてを倒せるだけの強さ」を発揮するという。『Jade』の奥深さはキャラクターの成長や武器の習熟システムにとどまらない。
モバイルゲームになることで成長に「課金の壁」が設けられるのではという心配は無用だ。Chanは本作について繰り返し「まったく課金しなくても最初から最後までプレイできます。」と説明した。課金要素については、プレイヤーに最適な形で提供できるよう、現在チーム内で検討中とのことだ。開発チームは本作をできるかぎり完成度の高い形で世に送り出そうと取り組んでいるが、彼らがすでにその後を見据えていることも明らかになった。
「ローンチはあくまでも出発点です。私たちはその後もプレイヤーにとって価値あるコンテンツの制作に注力していきます。それは例えば追加機能や、既存部分を改善する要素や、始めに述べたような追加地域やマップといったものになるでしょう。プレイヤーにお届けできる日が本当に楽しみで、ぜひ皆さんには私たちと共に末長く本作を楽しんでいただきたいと思います。」
『Assassin’s Creed Jade』のリリース時期はまだ具体的には決定していないが、iOS版・Android版とも2024年を予定している。プレイヤーの皆さんが時を遡り古代中国へと旅立つ暁には、その先に真正の「Assassin’s Creed」体験が待ち受けていると安心してほしい。