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ゲーム業界で求職者支援に取り組むTencentディレクター

今、ゲーム業界は動乱のただ中にある。すでに30,000人以上が人員削減で職を失い、リストラやスタジオ閉鎖の波は各地に広がり続けている。小規模なインディースタジオだけではない。大手パブリッシャーでもチーム単位のレイオフやプロジェクト中止が相次ぐ。 先の見えない状況の中で、思わぬ所から現れたヒーローがAmir Satvatだ。本業はTencent Gamesのビジネスディベロップメントディレクターで、さまざまなゲーム会社が投資・買収に値するかの評価を担当している。しかし、彼が業務外でゲーム業界において果たしてきた役割は、それよりずっと大きなものだ。

ネットワーキング支援

Satvatは業界でレイオフが始まった頃から、影響を受けた人々の支援にたゆみなく取り組んできた。LinkedIn、Discord、そして専用サイトamirsatvat.comからなるオンライン総合支援システムを構築したのだ。

Satvat近影、自慢のゲームグッズと玩具のコレクションと共に。写っているのはほんの一部だという

いずれも業界で再就職をめざすプロフェッショナル向けに大量のリソースを提供している。ウェブサイトだけでも再雇用への総合的なアプローチに関する19ものリソースがあり、特にコミュニティコーチングやイベントチケットの無料提供などが充実している。これほど多岐にわたるリソースを作成したのは、すべてコミュニティからの直接フィードバックに応えてのことだと彼は言う。

このサイトの求人セクションには14,000件以上の求人がリストアップされており、Satvatによれば、業界のほぼあらゆる求人情報をカバーする世界最大の無料ネットワークだという。

「初めはLinkedInにゲーム業界の求人情報リストをひとつ載せただけで、フォロワーもせいぜい5,000人というところでした。それが今ではフォロワー95,000人超となり、5,500人以上のDiscordコミュニティとamirsatvat.comが加わって、3つの拠点で展開するまでになりました。」と彼は語る。

彼のコミュニティは他にも4業種にわたる2,300人以上のコミュニティコーチを擁している。

Satvatが公開しているリソースの一覧

本人もゲーム業界に就職するまでに長く厳しい歳月を経験

Satvatがこれほど熱心にコミュニティ支援へ取り組む理由のひとつは、自分自身も業界に就職を果たすまで実に15年もの苦労を経験しているからだ。

米国の北東部に住むSatvatは、ゲーム業界での職を探していたが、家族が引っ越さなくてもすむ仕事というのがどうしても譲れない条件だった。

当時リモート勤務の求人はめったになかったので、就職活動は困難を極めた。だが彼はあきらめず、粘り強さとたゆまぬ自己研鑽、そしてポジティブな姿勢をつらぬきつづけ、ついに就職を果たした。

GamesBeat Summitで発言するSatvat (2024年5月)

この経験からSatvatは「準備こそが鍵」を信条とするようになった。彼のリソースが求職者のスキルの幅を広げることに重点を置いているのもそのためである。

今後、業界が立て直しに向かうにあたっては、コミュニティ構築と共感が重要になるとSatvatは繰り返し強調する。

「例えば、つらい経験をした同僚の話をしばらく黙って聞いてあげるといった簡単なことでもいいのです。」と言う彼は、採用担当者や人事責任者とつながりを作っておくことの重要さを力説する。そうすることで求人情報が耳に入りやすくなり、就職の機会が大いに増えるからだ。

Satvatの取り組みは効果をあげている。LinkedInやDiscord上のリソースは絶えず更新され、これまでに2,500人以上の就職を助けてきた。コーチングセッションも46,000件以上行われている。

ゲーム業界でレイオフの影響を被った人、あるいは業界に入りたいが何から始めたらいいか分からない人は、まずLinkedInでAmir Satvatをフォローしてみよう。

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